やさしい日本酒講座

2019年04月18日

日本酒はいつまで飲めるの?正しい保存法とは? │マダム下宮のやさしい日本酒講座 vol.7

東京・東中野にある、少量生産日本酒の専門店「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」。本格的な和食とのペアリングで日本酒の提供してくれる同店のマダム・下宮みどりさんによる、ビギナーのためのやさしい日本酒講座、好評開講中です♪

「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」とはどんなお店? くわしくはこちら≫

第7回目は、日本酒をおいしく飲める期間や日本酒の保存法について、マダム下宮に聞きました。

日本酒はいつまで飲めるの?正しい保存法とは?│マダム下宮のやさしい日本酒講座 vol.7
日本酒はいつまで飲めるの?正しい保存法とは?│マダム下宮のやさしい日本酒講座 vol.7

ハッコラ編集部:「そういえば、日本酒って賞味期限ってあるんですかね?(謎)。日本酒って古くなると酢になる、なんて噂も聞いたことがありますが…」
マダム下宮:「もちろん、日本酒は酢にはならないし、賞味期限もないのよ(ウフ)。今回は、日本酒の上手な保存法などと合わせてご紹介するわね」

「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」のマダム下宮
「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」のマダム下宮

日本酒は酢にならない、で・す・よ・ね~!(知ったかぶり)。マダム下宮のやさしい日本酒講座、第7回目の始まり始まり…!

日本酒は古くなると酢になるって本当!?

日本酒は古くなると酢になるって本当!?
日本酒は古くなると酢になるって本当!?

日本酒は、古くなっても酢になりません!

なりません。古くなってお酢になるのなら、自宅で簡単にお酢を造る事が出来るはずです(笑)。
お酢もりっぱな発酵食品ですが、日本酒、つまり「お米」を原料にしたお酢を造るのは、家庭では無理なことです。発酵させるための温度管理や日にちなど、経験が必要です。

雑菌などが入ってしまって酸っぱくなった日本酒を酢と勘違いした!?

お酢になる、という噂の出所として考えられるのは、一度開封した日本酒の保存方法でしょう。何らかの原因で乳酸菌や雑菌が入ってしまう。そして乳酸が増えてしまって、その酸味を「酸っぱい」=お酢になったと勘違いした可能性はあるかもしれません。でも決してお酢にはなっていないはずです。

では、古くなった日本酒はどうなるの?腐らないの?いつまでおいしく飲めるの?

では、古くなった日本酒はどうなるの?腐らないの?いつまでおいしく飲めるの?
古くなった日本酒はどうなるの?腐らないの?いつまでおいしく飲めるの?

日本酒は古くなっても腐らない、賞味期限の記載もない

古くなっても日本酒は腐りません。
日本酒も食べ物のひとつですが、賞味期限って書いてないはずです。ではどうなるのか。

日本酒は味がどんどん変化するデリケートな飲み物

日本酒は完成した瞬間から空気に触れることによって、味がどんどん変化するデリケートな飲み物です。
搾りの段階からすでに味はどんどん変化しています。そして私達の手元に届いて開封し、さらに空気に触れることで変化は進んでいきます。
酒蔵の人は「この期間内に味わってほしい」という、理想の飲み頃を想定している場合が多々あります。それは味がどんどん変化していくからで、理想の時期を過ぎてしまっても腐りはしませんが、「うちのお酒はこの期間内に飲んでほしい!」と願う本来の味からはかけ離れていきます。

日本酒を寝かせると、熟成酒や古酒に近くなる

反対に、日本酒を寝かせる事で、少しずつウイスキーや紅茶のような色も付いてきます。そうなると、熟成酒や古酒に近くなるような変化がもたらされているサイン。全く違った味わいの日本酒へと変わっていきます。楽しいでしょう?
5年、10年、20年寝かせていても大丈夫です。お店で一番古いのは昭和44(西暦1969)年に造られた日本酒。濃い茶色をしていて、味は高級な紹興酒といったところです。

日本酒の正しい保存法

日本酒の正しい保存法
日本酒の正しい保存法

買ったときと同じ状態で保存を

簡単にいってしまえば、購入したとき冷蔵庫に入っていた日本酒は、冷蔵庫に入れて保存。常温の場合はそのまま常温保存で構いません。

わからない場合は冷蔵庫で保存しよう

でも、頂き物たっだりするとわからなくなりますね。わからない場合は、まず冷蔵庫に入れて保存すること、これが一番間違いないです。日本酒を買ってきたり、頂いた場合、まずは冷蔵庫に入れて保存しましょう。

ビギナーの方は、手に入れた日本酒はすぐに楽しんで

そしてもうひとつ大事な事。
日本酒は季節物が多いので、造り手さんの気持ちを考えると、大事に取っておくのはおすすめしません。酒蔵の人は、造ってからお客様の手元に届いた頃においしくなるように考えて、日本酒を造っています。せっかく手に入れてからといって、半年や1年と大事に取っておくことはしない方がいいでしょう。

ベテランの方は、味わいに応じて寝かせてみて

かなり日本酒に詳しくなったら、これは早めに飲んだ方が良いとか、これはしばらく冷蔵庫で寝かせてみよう、ということがわかってきます。

わざと冷蔵庫で保存し、1年から5年と寝かせます。そうすることでさらにまろやかでトロッとした日本酒になっている場合もあるんです。それ以上長い年数保存している場合は、高級な紹興酒を思わせる味に変化していきます。熟成酒や古酒に近い味わいなっている可能性があります。一度開けた日本酒でも、冷蔵庫でしっかり保存しておけば、いい感じの熟成酒や古酒のように仕上がりますよ。

古くなってしまった日本酒のおいしいいただき方、活用法

古くなってしまった日本酒の活用法
古くなってしまった日本酒の活用法

上級者はあえて時間を置いて楽しんでも◎

では古くなった日本酒はどうしたらいいのか。
先ほども言いましたが、日本酒は決して腐りません。通常の日本酒は、寝かせることを計算に入れて造られてはいませんが、少し日本酒がわかってきたら、寝かせて楽しむ事も可能です。でも色々な事情で古くなって心配な場合、まずは開けて試飲してみましょう。意外と美味しい日本酒に大変身している場合があります。角が取れてコクがあってまろやかでとろける味、おいしい日本酒に大変身なんてこともあります。そうなると得した気分! その日本酒の味に合わせてお料理を組み合わせて楽しんでみて下さい。

寝かせた日本酒は、中華やハーブ料理とも相性抜群

さらに寝かせていると味は紹興酒に近づき、色も付いてきます。こうなったら熟成酒や古酒としてお楽しみ下さい。中華料理やハーブを利かせたお肉料理も合うはずです。温めて飲んでも美味しいはずです。
お店ではお食事の終わりの頃に合わせる熟成酒として、またはお食事の終わりに、はちみつを添えた熟成チーズと一緒に楽しんで頂いています。
日本酒はこうした楽しみ方も出来るんです。おいしいですよ。古くなったからと捨てないで下さいね。

化粧水代わりに使うのもおすすめ

他には、化粧水代わりに使うのもいいですよ。実際私も長年使っていますが、空になった化粧水の容器に移し替えて、お風呂上がりに、朝の洗顔後に、どんどん使っています。日本酒には保湿作用があるため、日本酒由来の化粧水がちゃんと売っているくらいです。中にはお肌に合わない方もいますので、しっかりテストしてから使ってみてくださいね。

マダムおすすめ!4月に飲みたい日本酒はこれ!

長野県の「武重本家酒造」による『御園竹・山廃純米三夏越・10年古酒』

長野県の「武重本家酒造」による『御園竹・山廃純米三夏越・10年古酒』
長野県の「武重本家酒造」による『御園竹・山廃純米三夏越・10年古酒』

購入した時点で3年寝かせてあった日本酒です。それをさらに7年間お店で常温保存した日本酒です。ほんのり色づいている感じですが、味は甘味が柔らかくておいしいですよ。

長野県の「武重本家酒造」による『御園竹・山廃純米三夏越・10年古酒』
長野県の「武重本家酒造」による『御園竹・山廃純米三夏越・10年古酒』

武重本家酒造

和歌山県の「吉村秀雄商店」による『二十年常温熟成酒・22年古酒』

和歌山県の「吉村秀雄商店」による『二十年常温熟成酒・22年古酒』
和歌山県の「吉村秀雄商店」による『二十年常温熟成酒・22年古酒』

こちらはある酒屋さん限定の古酒。裏ラベルしか存在しません。この3種類の中でもっとも濃い色が付いている1本です。常温で寝かせておいたことも大きく影響していると思われます。甘くトロッとした紹興酒といったところでしょうか。

和歌山県の「吉村秀雄商店」による『二十年常温熟成酒・22年古酒』
和歌山県の「吉村秀雄商店」による『二十年常温熟成酒・22年古酒』

吉村秀雄商店

群馬県の「分福酒造」による『分福・常温十年貯蔵・16年古酒』

群馬県の「分福酒造」による『分福・常温十年貯蔵・16年古酒』
群馬県の「分福酒造」による『分福・常温十年貯蔵・16年古酒』

こちらは購入したとき10年寝かせてから市場にでた日本酒です。お店では冷蔵庫の中で6年間寝かせました。冷蔵庫保存したことでお酒に殆ど色は付いていません。味の濃いお料理と合わせるとなかなか良いですよ。

群馬県の「分福酒造」による『分福・常温十年貯蔵・16年古酒』
群馬県の「分福酒造」による『分福・常温十年貯蔵・16年古酒』

分福酒造

ビギナーもベテランも、上手に日本酒を楽しんで♡

初心者は購入してからあまり時間を置き過ぎずに、日本酒をいただきましょう。また、上級者は、自分なりに寝かせてみたりするのもいいですね! 背伸びをし過ぎず、造り手さんの気持ちも汲みながら、日本酒を楽しんでみましょう^^

美酒和膳 ひがし中野 しもみや

しもみやさんの投稿 2016年10月6日木曜日

小泉武夫先生の教え子だったご主人とマダム下宮が営む、少量生産日本酒の専門店「しもみや」

東京農大醸造学科の卒業生で、小泉武夫先生の教え子だったご主人の下宮龍児さんと、マダムの下宮みどりさんが営む、少量生産日本酒の専門店「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」。意識して珍しい日本酒だけを置いている訳ではなく、「小さな蔵が伝統を引き継ぎ、自分たちの手で丁寧に作り上げる少量生産の日本酒を楽しんでほしい」、「大量生産では決して出せない本物の日本酒の味を味わってほしい」という想いからセレクトされた日本酒と、季節の発酵料理が味わえるお店です。

しもみやさんの投稿 2016年11月25日金曜日

日本酒と季節の発酵料理のペアリングは、マダム下宮におまかせで安心

旬の食材を活かした、体に優しくて日本酒に合う発酵料理の数々は、まさに“日本酒を楽しむための料理”。ご主人による発酵料理が次々と出されますが、日本酒とのペアリングはマダムにおまかせで安心。料理が出されるタイミングで、その料理と合う日本酒をマダムが出してくれます。
日本酒に詳しくない方も、いろんな日本酒の飲んできた方も、ともに大満足すること間違いなし! 東中野の醸し場「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」にぜひ足を運んでみてくださいね。

店舗情報

店名:美酒和膳 ひがし中野 しもみや
URL:オフィシャルサイト食べログFacebookページ
住所:東京都中野区東中野1-52-18 クワハウス1階(Google Map
営業時間:PM6:00~AM1:00/LO.12:00
定休日:毎週月曜日
電話/FAX・メールアドレス:TEL&FAX:03-3363-7878 ※ご予約は4名様まで/e-mail:sake-shimomiya@sirius.ocn.ne.jp

下宮みどり

下宮みどり

少量生産日本酒の専門店「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」のマダム。1958年、鹿児島県は桜島で生まれ育つ。同店を立ち上げるまで、長くアパレルの仕事に携わる。夫は、同店の店主で東京農大醸造学科のOB、小泉武夫先生の教え子である下宮龍児氏。龍児氏は、同級生は酒蔵の跡継ぎがほとんどという他にない大学で学ぶ。しかし、年々廃業する同級生の蔵の事実を知り、何とかしたいという龍児氏の背中を押し、2004年、夫婦で同店を立ち上げる。手作りされる本物の日本酒は実に数が少なく、出会うチャンスがないため、「感動してほしい!本物の味を知って目覚めてほしい!」と願い、同店を営んでいる。 https://www.shimomiya.jp/

関連タグ

この協力者の他の記事を見る

このライターの詳細へ

最新記事

もっと見る

SERIES 連載

More

CATEGORIES カテゴリー