東京・東中野にある、少量生産日本酒の専門店「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」。本格的な和食とのペアリングで日本酒の提供してくれる同店のマダム・下宮みどりさんによる、ビギナーのためのやさしい日本酒講座、好評開講中です♪
「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」とはどんなお店? くわしくはこちら≫
第10回目は、日本酒の精米歩合について、マダム下宮に聞きました。
ハッコラ編集部:「日本酒のラベルに、精米歩合〇%と書いてありますが、この%が高いほど、お米をたくさん削った、という意味ですよね??」
マダム下宮:「実は、違うんです! そのように勘違いしている方が多いんですけど、実際は逆の意味なんですよ(ニコ)」
「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」のマダム下宮
えええ! 違うんですね…。マダムマダム下宮に本当のところを教えてもらいました。やさしい日本酒講座、第10回目の始まり始まり…!
日本酒の精米歩合って何?
日本酒の精米歩合って何?
精米歩合とは、お米を削る(磨く、精米する)割合のこと
お米を削る事を、日本酒の世界では「磨く」とか「精米する」といいます。
私達が普段食べているお米も、もちろん同じ様に削ってありますが、せいぜい精米歩合は90%前後くらい。残りの10%前後を削ったと理解して下さい。
90%のお米は、脂質やタンパク質、旨味成分をたくさん含んでいる状態で、普段食べているお米が美味しいと感じるのは、この部分を存在するからなんです。しかし、日本酒を造る上では、この部分が邪魔をするので、削る、つまり「精米」していきます。
勘違いしやすい日本酒の精米歩合、みんなが間違えているところは?
勘違いしやすい日本酒の精米歩合、みんなが間違えているところは?
「精米歩合70%」は、お米の30%を磨いて捨てたこと
日本酒のラベルに、「精米歩合70%」と書いてあったとします。すると「えー!そんなにお米を削ったんですか?」と驚く方がよくいらっしゃいました。つまりその方は、お米の70%を磨いて捨てて、手元に30%残っていると思った訳です。
本当は「精米歩合70%」と書いてあったら、手元に70%残った状態を言いますので、お米の30%を磨いて捨てたということになります。
日本酒のお米はなぜ削るの?
日本酒のお米はなぜ削るの?
お米磨きは蔵人の腕の見せ所!
日本酒の原料でもある「お米」は食べる上ではあまり磨かない方が美味しいのですが、お酒を造る上ではこの栄養になる部分が「雑味」や「えぐみ」になります。透明感のある日本酒を造ろうと思うと、この部分を磨いていく必要がある訳です。
お米を半分、50%まで磨いたとしても、純粋な「心白(米の中心部の白く不透明な部分)」にはたどり着きません。まだまだデンプン以外の栄養が含まれています。
純粋なデンプンにたどり着こうとすると、さらに磨いていって、何と20%くらいまで磨かないとたどり着けないんですね。それでは高級な日本酒しか誕生しませんので、お米を出来るだけ磨かずに残しながら、華やかで香りや旨味を感じる日本酒造りをする。これが蔵人の腕の見せ所です!
最近ではお米をあまり磨かずに日本酒を造ることに魅せられている酒蔵も多くなりました。精米歩合70~90%というお酒も見かけますね。
次回、日本酒を飲むときには、精米歩合を気にしながら味わって見るもの良いですね。
削られたお米はどうなっているの?
削られたお米はどうなっているの?
精米後の米ぬかも米粉も、無駄なく再利用されている
無駄なく使われているようです。
お米のぬか(糠)は、家畜の飼料になりますし、ぬか漬けの材料として漬け物屋さんに引き取られていきます。最近は化粧品の原料として注目されてきていますし、米油も取れます。
また、ご自宅で精米している方も多くなっていると思いますが、ぬかに栄養と油分が含まれていますので、家庭菜園の肥料として、または、袋に入れて身体やお顔を洗うとしっとりするはずです。その他には、石鹸も作られています。また、ぬかを使って焼酎を造っている蔵もあるんですよ。
米粉は、上新粉として市場に多く出回っています。せんべいとか団子、あられ、クッキーやケーキ、最近ではパンも作っていますね。
こうして精米されたお米は、無駄なく私たちの生活に役立っています。
マダムおすすめ!今飲みたい日本酒はこれ!
長野県「西飯田酒造」の『積善 純米吟醸 ラグビーラベル』
長野県「西飯田酒造」の『積善 純米吟醸 ラグビーラベル』
お店で扱っている酒蔵の中でも非常に小さな酒蔵です。ここも主人の後輩で東京農大の卒業生。ここは花酵母を使って仕込むのが特徴。このユニークなラベル誕生も、本人が学生時代ラグビーの選手だったことと、ラグビー日本代表のシンボルが桜だったことで誕生。
京都「向井酒造」の『伊根町 夏の思い出』
京都「向井酒造」の『伊根町 夏の思い出』
ここも東京農大の卒業生。蔵のお嬢さんが造る日本酒です。普通焼酎を仕込む時に使われる「白麹」で日本酒を仕込んだ珍しい1本。甘酸っぱいのが特徴。氷を入れて炭酸割りにするのをお勧めします。
長野県「諏訪御古鶴酒造場」の『御古鶴 純米吟醸 ひとごこち』
長野県「諏訪御古鶴酒造場」の『御古鶴 純米吟醸 ひとごこち』
この蔵は日本酒好きな方なら事情を知っているはずです。一度自己破産しましたが、福島の運送会社が買い取り再建、今年初めて市場に出て来ました。現在の杜氏は以前お付き合いのあった蔵の竹内杜氏。その完成度の高さに驚きました。旨味と酸味のバランスが最高です。
美酒和膳 ひがし中野 しもみや
しもみやさんの投稿 2016年10月6日木曜日
小泉武夫先生の教え子だったご主人とマダム下宮が営む、少量生産日本酒の専門店「しもみや」
東京農大醸造学科の卒業生で、小泉武夫先生の教え子だったご主人の下宮龍児さんと、マダムの下宮みどりさんが営む、少量生産日本酒の専門店「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」。意識して珍しい日本酒だけを置いている訳ではなく、「小さな蔵が伝統を引き継ぎ、自分たちの手で丁寧に作り上げる少量生産の日本酒を楽しんでほしい」、「大量生産では決して出せない本物の日本酒の味を味わってほしい」という想いからセレクトされた日本酒と、季節の発酵料理が味わえるお店です。
しもみやさんの投稿 2016年11月25日金曜日
日本酒と季節の発酵料理のペアリングは、マダム下宮におまかせで安心
旬の食材を活かした、体に優しくて日本酒に合う発酵料理の数々は、まさに“日本酒を楽しむための料理”。ご主人による発酵料理が次々と出されますが、日本酒とのペアリングはマダムにおまかせで安心。料理が出されるタイミングで、その料理と合う日本酒をマダムが出してくれます。
日本酒に詳しくない方も、いろんな日本酒の飲んできた方も、ともに大満足すること間違いなし! 東中野の醸し場「美酒和膳 ひがし中野 しもみや」にぜひ足を運んでみてくださいね。
店舗情報
店名:美酒和膳 ひがし中野 しもみや
URL:オフィシャルサイト/食べログ/Facebookページ
住所:東京都中野区東中野1-52-18 クワハウス1階(Google Map)
営業時間:PM6:00~AM1:00/LO.12:00
定休日:毎週月曜日
電話/FAX・メールアドレス:TEL&FAX:03-3363-7878 ※ご予約は4名様まで/e-mail:sake-shimomiya@sirius.ocn.ne.jp