納豆菌最強伝説は本当?ナットウキナーゼの効果や乳酸菌との相性、販売中の納豆菌発酵食品のおすすめ

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納豆菌最強伝説は本当?ナットウキナーゼの効果や乳酸菌との相性、販売中の納豆菌発酵食品のおすすめ
納豆菌最強伝説は本当?ナットウキナーゼの効果や乳酸菌との相性、販売中の納豆菌発酵食品のおすすめ

日本の発酵食品の代表格である納豆。原料は大豆ですが、大豆が納豆になるためには、納豆菌が欠かせません。そこで当記事では、「熱や酸に強い」「宇宙空間でも死滅しない」などの“最強伝説”が唱えられている納豆菌とはどのようなものなのかをご紹介します。また、ナットウキナーゼの働きや乳酸菌との相性など、納豆菌の特徴や効果をはじめ、納豆菌を培養させる方法や納豆菌を使った納豆の作り方を見ていきましょう。さらに、販売中の納豆菌発酵食品のおすすめもチェックしてみました。


納豆菌とは

納豆菌とは
納豆菌とは

納豆を作るときに欠かせない納豆菌は、枯草や土壌の中に広く分布している枯草菌(こそうきん)と呼ばれる菌の仲間です。そのため、納豆菌も稲わらなどの枯草の中に多く存在しており、昔の納豆はゆでた大豆を稲わらに包んで作られていました。
ちなみに、学術的には納豆菌という菌は存在しないのですが、納豆を作るときに用いる枯草菌を、わかりやすく「納豆菌」と呼んでいます。納豆を作る食品メーカーは、それぞれ独自の納豆菌を持ち、味や風味が異なる納豆を各社が製造しているのです
納豆菌の大きさは、幅1μm(マイクロメートル)、長さは2~3μm程度、納豆1gに10億以上の納豆菌が存在するといわれています。また、納豆菌が活発に増殖する温度は40℃くらいで、適度な空気が必要です。納豆菌は、ゆでた大豆の栄養を分解してどんどん増えていきます。また、そのときに納豆特有の味やニオイ、ネバネバが作り出され、大豆が発酵して納豆になります。

納豆菌最強伝説は本当?納豆菌の特徴

納豆菌最強伝説は本当?納豆菌の特徴
納豆菌最強伝説は本当?納豆菌の特徴

「熱や酸に負けない」「宇宙環境でも生き続ける」などと“最強伝説”が伝えられる納豆菌の特徴をご紹介しましょう。

熱や酸に強い

納豆菌は熱や酸性に強いため、煮沸消毒や胃酸にも負けない強さを持ちます(10分以上煮沸すると大半は死滅するとされています)。また、マイナス100℃でも、真空状態でも生存するといわれており、そのことから「宇宙空間でも死なない」といわれてるようです。
なぜ、納豆菌はそのような強さを持ち合わせているのでしょうか? 納豆菌は、栄養が不足していたり、活動しづらい環境下に置かれた場合、殻に閉じこもったかのように胞子を形成します。その胞子が栄養細胞を守ってくれるので、納豆菌は熱や酸に強い耐性があるとされます。

増えるのが早い、増える量が多い

納豆菌の特徴は、その増え方の速さにあります。30分おきに倍々に増え、15時間後にはひつとの納豆菌が10億個にも増えるそうです。納豆菌は、絶大な生命力を持つ菌なのですね。

ちょっと困った特徴も…

納豆菌の驚異的な繁殖力は、麹菌や乳酸菌、イースト菌の繁殖を妨げてしまう可能性があることから、醸造家を困らせてしまうやっかいな一面もあります。
日本酒の蔵元さんが納豆を食べるときには十分に注意をしたり、蔵や工場の発酵室を訪れる視察者へ事前に納豆を控えるよう伝えたりすることからも、納豆菌がいかに恐れられているかがわかります。納豆菌が少しでも加工のプロセスに入ってしまうと、日本酒作りや発酵食品の製造が失敗してしまう恐れがあるのです。

納豆菌がもたらす健康成分と効果

納豆菌がもたらす健康成分と効果
納豆菌がもたらす健康成分と効果

大豆が発酵して納豆になるときに、納豆菌が作り出してくれる健康成分がたくさんあります。また、納豆菌そのものが健康成分でもあるのです。ここでは、納豆菌がもたらしてくれるさまざまな成分の健康効果をご紹介しましょう。

納豆菌

納豆菌は胃酸に強いため、生きたまま腸にたどり着くことができます。腸に届いた納豆菌は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれるでしょう。それによって、便通がよくなることはもちろん、細菌やウイルスの働きを抑えて免疫力を高めたり、O-157やサルモネラ菌などを抑制する抗菌作用も発揮してくれるようです。
そのように、納豆菌に素晴らしい働きをしてもらうためには、納豆を毎日適量食べることが大切。善玉菌は腸内に1日程度しか定着しないため、継続的に納豆菌を取り入れて、善玉菌を減らさないようにしましょう。

ナットウキナーゼ

健康成分として有名な「ナットウキナーゼ」とは、納豆のネバネバにあるタンパク質分解酵素のことです。ナットウキナーゼには血栓症抑制効果が認められており、脳梗塞や心筋梗塞の予防に作用するといわれています。そのことから、成人病の予防効果も期待されています。

ビタミンK

ビタミンKは、カルシウムとタンパク質の結合を促し、骨を強くしてくれるだけではなく、骨からカルシウムの流出を抑えてくれる働きがあるとされています。また、ビタミンKには出血を抑制する効果もあるため、潰瘍などで粘膜から血が出た場合にも、出血を最小限に留めてくれる働きがあるようです。

ポリグルタミン酸

前述したナットウキナーゼは、これからご紹介するポリグルタミン酸に含まれている成分です。納豆のネバネバの主成分であるポリグルタミン酸は、老廃物の排泄を促し、デトックス効果をもたらしてくれるとされています。
また、皮膚に被膜を作ることで肌を保護しながら、肌細胞の活性化による保湿作用を高めてくれるそう。それにより、肌本来が持つ保湿機能が発揮される可能性も期待できます。

ポリアミン

大豆が発酵して納豆になる過程で増加する健康成分に「ポリアミン」があります。ポリアミンは、動脈硬化の元となる成分・LFA-1を抑えてくれるため、血管の若返り効果が期待できます。また、血管が若返ることで血流を促進、それにより免疫細胞も活性化することで、脂肪が燃焼されやすい・太りにくい体質に近づくとされているのです。ポリアミンとは、まさに、健康と長寿を支援するアンチエイジング成分といっても過言ではないかもしれません。

納豆菌と乳酸菌の相乗効果

納豆菌は酸への耐性が強いため、胃酸にも負けず腸まで生きたまま到達することができます。また、納豆菌と一緒に乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を摂ることで、納豆菌が善玉菌を増やし、悪玉菌や日和見菌を結果的に減らすことができるため、腸内環境が整います。

納豆の大豆の健康成分と効果は、「納豆の旬は1月って知ってた?「納豆のお年取り」「糸引き納豆の日」に食べたい!お正月の納豆レシピ」をチェック>>

納豆菌を培養した納豆の作り方

ここからは、お家でできる自家製納豆の作り方をご紹介します。市販の納豆をスターターにすることで、簡単に納豆菌が培養され、おいしい手作りの納豆ができます、ぜひお試しあれ!

ヨーグルトメーカーや納豆パックでできる納豆の作り方

ヨーグルトメーカーや納豆パックを使って、手軽に自家製納豆が出来上がります。

ヨーグルトメーカーで作る!手作り納豆の作り方・レシピ

ヨーグルトメーカーで作る!手作り納豆レシピ
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週末などに気軽に挑戦できる、手作り納豆の簡単な方法をご紹介します。

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納豆パックで作る自家製納豆の作り方・レシピ

発酵王子直伝!納豆パックで作る自家製納豆レシピ
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伏木先生に、実際に納豆を自宅で作る方法を教えていただきました。普段食べているあの納豆パックさえあれば、誰でも納豆を作ることができます。

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タイ、チェンマイの納豆「トナオ」の作り方・レシピ

タイの納豆「トナオ」を求めて、チェンマイのタン村を訪れた安田さん。藁(わら)ではなく、身近な葉で茹でた大豆を包んで作るというトナオについて、現地のトナオアーチャン(納豆先生)に教えてもらいました。

タイ、チェンマイの納豆「トナオ」前編:トナオとは何か?【諸国菌食紀行】

タイの納豆の「トナオ」
タイ、チェンマイの納豆「トナオ」前編:トナオとは何か?【諸国菌食紀行】

昨年の夏、タイの少数民族の村に10年以上通い、昔ながらの製法で作られている布製品の仕入れをしているOg(おぐ)さんから、お土産に丸くて薄い、せんべいの様なものをもらった。匂いを嗅ぐとほろ苦いチョコレートのような厚みのある香り。とどこか懐かしいような知っているような… 聞くとこれはタイの納豆の「トナオ」だという。

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タイ、チェンマイの納豆「トナオ」中編:トナオ料理を食べる【諸国菌食紀行】

ハーブやスパイスを多用していくものと思っていたが意外にでシンプルな食材や調味料
タイ、チェンマイの納豆「トナオ」中編:トナオ料理を食べる【諸国菌食紀行】

カラリと晴れた青空の下、いよいよ待望の納豆料理教室が始まろうとしていた。タイでのトナオの食べ方は、日本の納豆のようにそのままご飯にかけて食べることはせず、スープやカレー、炒め物などに入れて旨味をつける役割が多いと聞いていたので 、一体どんな風に使っていくのか、何を合わせるのか、ずっと楽しみで仕方がなかった。

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タイ、チェンマイの納豆「トナオ」後編:トナオを作る・料理する【諸国菌食紀行】

次に採ってきた葉っぱで包みます。今回は熊笹。
タイ、チェンマイの納豆「トナオ」後編:トナオを作る・料理する【諸国菌食紀行】

近くに生えてる植物からできるタイの納豆「トナオ」の存在は大きな衝撃だったが、それ以上に、トナオにスパイスや魚醤を合わせたり、乾燥させて保存し、旨みとしてスープに使ったりと、多様なトナオ料理の数々に、驚きと発見が盛りだくさん。日本の納豆では見かけない調理法や使い方に感心した。せっかくトナオ料理を教わったので、今回は旅ではなく、教わったり、食べたトナオ料理を日本で再び作って食べる『回想菌食食堂』にしたい。

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納豆菌や納豆アイテムの販売

パックの納豆をごはんにかける一般的な食べ方以外にも、最近では、気軽にそして手軽に納豆菌を摂取できる納豆関連フードが増えています。ここからは、今販売されている納豆菌や納豆関連商品をご紹介します。

コーヒー風味の納豆菌発酵食品「SOYFFEE」

特別栽培の大豆とピュアアラビカのコーヒー豆に独自の製法で風味をつけ、納豆菌で発酵させた大豆発酵食品「SOYFFEE」。大豆は北海道産のもの、コーヒー豆はラオス産のものが使用されています。
ご飯にかけるという食べ方ではなく、コーヒーの香りを活かしたホットサンドやデザート、サラダなどにかけても◎。様々な食べ方で大豆のタンパク質やナットウキナーゼといった栄養素が摂取できます。


【大豆発酵食品】Shonan Soy Studio Inc.>>

納豆菌ミルクチョコレート

納豆菌ミルクチョコレート
納豆菌ミルクチョコレート

納豆菌が含まれた栄養価の高いクーベルチュールチョコレート。腸内フローラを整える納豆菌を生きたままの状態に保つため、パティシエが手作りで一つひとつ丁寧に仕上げました。なめらかな口当たりとあと味が特徴的な、美肌効果や整腸効果が期待できる「バイオチョコレート」です。
濃厚なチョコレート感に包まれて、カカオ豆の持つまろやかさとほのかな納豆の香ばしさが口の中に広がります。ミクロの世界で人を思う納豆菌研究者と、甘い幸せを生み出すチョコレート職人が完成させた作品をお楽しみいただけます。

納豆菌ミルクチョコレート
納豆菌ミルクチョコレート

納豆ご飯専門店「令和納豆」>>

納豆菌ポテトチップス

納豆菌ポテトチップス
納豆菌ポテトチップス

生きた納豆菌と一緒に食べるポテトチップスは、国産ジャガイモ、焼き塩、納豆パウダーで仕上げられています。添加物を一切使用しておらず、生きた納豆菌が含まれいますので、整腸効果が期待できる健康的なお菓子です。納豆の香ばしい香りと、口の中に広がる納豆風味は、納豆好きにはたまらない商品です。

納豆菌ポテトチップス
納豆菌ポテトチップス

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おつまみ納豆


リーズドライによる納豆そのままの風味をベースに、3種類の味(プレーン、うすしお、黒糖)があります。納豆をフリーズドライすることで納豆特有の匂いやネバつきを気にせず、手でつまめるおつまみ納豆に。ビールのお供やサラダのトッピング、ご家族への健康や栄養バランスを考えたおやつにも。農薬・化学肥料不使用の国産大豆を使用しており、そのままの味をしっかり楽しめるよう保存料、着色料など一切使用しておりません。

オンラインショップ | 【公式】sonomono(そのもの)>>

こな納豆


納豆の風味を味わいながら、ほんの少しの粘り気がクセになる「こな納豆」は、化学調味料や合成着色料などは無添加、納豆をフリーズドライで粉末にした製品です。
いつもの食事にスプーン1杯かけるだけで、納豆の豊富な栄養まるごと、さらに納豆10パック分の納豆菌を手軽においしく摂ることができます。ご家族の健康管理や良好な腸内環境の維持にお役立てください。

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参照文献・関連リンク

「図解でよくわかる発酵のきほん」(成文堂新光社)
納豆の健康効果 納豆の発酵と健康成分(おかめ納豆サイエンスラボ)
ポリアミンが若さをつくる(全国納豆協同組合連合会)
生活に身近な微生物の話(21)-納豆は乳酸菌やビフィズス菌の増殖に影響するのか-(筑波技術大学名誉教授 一幡良利)
納豆の健康効果(全国納豆協同組合連合会)
宇宙空間でも平気?納豆菌の強さとは(ネイチャー&サイエンス)

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